検査後は何を食べるべき?
朝食、昼食抜きの検査日
検査の日は検査項目によって食事制限がありますね。食べることが大好きな私は、空腹指示のある検査の患者様がいらっしゃるたびに、「今日は朝食を抜いてきてもらっているからお腹が空いてるだろうな」「早く終わらせておいしいご飯を食べに行ってほしい」と思っていました。実際に自分が健康診断を受けに行った際には、終わった後すぐに近くのうどん屋さんに行きました。お腹が空いたときに食べるものって本当においしいですよね。
この時は何も考えず、うどんならすきっ腹の胃にも優しいだろうと思って食べていたのですが、この後SNSで気になる情報を目にしました。それが「血糖値スパイク」です。
血糖値スパイクとは
血糖値スパイクとは血糖値が急激に上がり下がりすることです。血糖値の乱高下により、血管にダメージを与え、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなるようです。特にインスリンの働きが悪い糖尿病の方はリスクが倍増します。
調べてみると、私が健康診断後に摂った食事は、食後血糖値を上げやすく、体に負担をかけていたようです…。食事制限のある検査が終わった後は、空腹で吸収が良くなっているので、出来るだけ血糖値が上がりにくい食事が良いようです。最近では食後血糖値が上がりにくい食品は、 低GI(Glycemic Index食後血糖値の上昇度)と呼ばれ、いろいろなところでその名前を目にするようになりました。低GIな食事は、血糖値の上昇を緩やかにするため、肥満や糖尿病のリスクを軽減してくれるといわれています。では、具体的にどのような食事が低GIなのでしょうか。
低GI食品
GIとは、炭水化物を含む食品を食べた時の、糖質の吸収のしやすさを表した指標だそうです。ブドウ糖を摂った時を100とし、糖質量が同量の食品を摂った時の吸収のしやすさを数値で表しています。その中で低GI食品は、GI値が55以下のものになります。
低GI食品の多くは、食物繊維が豊富な、精製されていない炭水化物や果物、野菜のようですね。
具体的には、
穀物:全粒粉のパン、玄米、そば、春雨
果物:リンゴ、いちご、グレープフルーツ、みかん
野菜:葉物野菜、ブロッコリー、ピーマン、キノコ類
乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト
お肉や魚などは含まれている炭水化物が少ないため、実質的にGI値の測定は不可能なようです。ですが、もともと炭水化物が少ないので、血糖値を上げにくい食品とみなして良さそうです。ただし、低GI食品はカロリーとは関係がないので、食べすぎは禁物です。また、食事のバランスも大切で、低GI食品ばかりを摂るのではなく、たんぱく質、炭水化物、野菜を組み合わせたバランスの良い食事が望ましいです。
見たところ、うどんをそばに変えたり、フルーツの種類を気にするだけで、血糖値の上がりにくい食事を取り入れることができそうですね。無理なく出来そうで安心しました。
血糖値を急激に上げるのを防ぐその他の方法
とはいえ、チャーハンやうどんが食べたい時もありますよね。 そんな時は、他の方法で血糖値スパイクのリスクを下げましょう。まずは食事を少量ずつ摂取することで、血糖値の急激な上昇を抑えられます。少しずつ、よく噛んで食べるのが大切ですね。また、食後の適度な運動(ウォーキング等)も血糖値の上昇を抑える効果があるようです。そして、食事の前と後に十分な水分補給をすることも大切です。特に運動負荷試験の後は水分不足になりがちですので、たっぷりとお水を飲んでくださいね。
クリニック近くの飲食店
検査後でお腹が空いているのに、家に帰るまで食べられないのはつらいですよね。そこで、当クリニックの近隣で、低GIな食事ができそうな食事処を調べてみました。
そばは低GI食品の代表です。特にこちらのお店は十割蕎麦なので、蕎麦の栄養がたっぷりです。なめこや鴨を足しても良さそうです。六本木ヒルズ近くにあり、ごはん時は少し混みあうようですが、回転は速いようです。土日祝日のランチと、ディナータイムは予約ができるようです。
豚ざる(1600円)が名物の、2023年2月にオープンしたお店です。日比谷線六本木駅4から徒歩5分で、平日のみの営業です。ランチは11:30~14:00で、蕎麦だけでなく、日本食の御膳もいただくことができます。
六本木ヒルズの中にある定食と御膳が楽しめるお店です。ご飯は白米なので、GI値は高めですが、小鉢やだし巻き卵などの副菜が豊富ですので、食べる順番を工夫することで、血糖値を急激に上げない、体によい食事ができそうです。
見るからに健康的な、低カロリー、高タンパク、栄養バランス抜群のサラダボウルがいただけます。当院から麻布十番駅に向かう道に位置しています。野菜だけでなく、チキンやサーモンがのっていますので、栄養バランスも抜群で、食べ応えも十分そうです。
検査後の食事まとめ
すきっ腹でご飯を食べると、急激に血糖値があがり、糖尿病や動脈硬化のリスクになります。少しでもリスクを減らせるように、下記のことに注意してみるのはいかがでしょうか。
- 食事前にたっぷり水分をとる
- 食べる順番を考慮する(野菜→肉・魚→ご飯・麺)
- 少しずつ、よく噛んで食べる
- 食べ過ぎない
- 食後にウォーキングをする
次回私が検査を受ける時は、検査後にしっかり水を飲んで、定食屋さんで雑穀米の魚定食を頼み、野菜からしっかり噛んで食べて、歩いて帰ろう、と思いました。少しでも皆様の参考になりましたら嬉しいです。
参考文献: