間違いだらけ!?本当に効果的なホワイトニングの方法は?

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こんにちは。歯科衛生士の高島です。今日は私の専門である、歯のホワイトニングについて書いていきたいと思います。実は数年前にはホワイトニングコーディネーターの資格を持っていました(更新しなかったので今はないのですが…笑)。ネットではいろいろな情報が飛び交っているので、業界内部からの正確な情報を皆様にお伝えできればと思います。

ホワイトニング歯磨き粉、セルフホワイトニング

※ここでのセルフホワイトニングは歯科医師、歯科衛生士がいないサロン等で行われるものを指しています。

歯の漂白(ブリーチ)が出来るのは歯科医院だけ

 世間でいう歯のホワイトニングとは、「歯を白くすること」を指していますが、歯科業界でのホワイトニングは「歯を漂白(ブリーチ)すること」を指しています。そして、歯の漂白(ブリーチ)効果が学術的に認められているものは、過酸化物からなるホワイトニング剤を使用する方法で、医薬品医療機器等法(旧薬事法)上、医療用具(歯科材料)とされており、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たない者がこれを用いて施術する事は違法行為になります。(引用:日本審美学会

 つまり、市販の歯磨き粉やセルフホワイトニングでのホワイトニングは、表面のステインを落とすことにとどまり、本当に歯の色そのものを白くするのは歯科医院でしか出来ません。

市販の歯磨き粉は効果がないの…?

 元々表面にステインがついており、それらを落とすだけで十分な白さを体感できる人もいます。そういった場合は市販の歯磨き粉やセルフホワイトニングでも白くなったと実感することが出来るでしょう。ただし、蓄積したステインや汚れを、ホワイトニング歯磨き粉やセルフホワイトニングで落とすには、複数回の施術が必要となります。それよりも、歯科医院に来院してクリーニングを行う方が早く、安全に除去出来ますので、結果的にコストパフォーマンスも良いと思います。ですが、毎日コーヒーやお茶を飲んだり、喫煙習慣がある方は、ステインがつきやすく、クリーニングの1か月後には着色が戻ってきます。市販の歯磨き粉やセルフホワイトニングは軽度な汚れを落としたり、再沈着を防ぐのに優れていますので、一度歯科医院で綺麗にした後に、良い状態を保つために使用していただくのが効果的です。

どのような歯磨き粉を選ぶべき?

 ホワイトニングがうたわれる歯磨き粉の多くは、研磨剤を配合することで表面の汚れを落としやすくしたものです。汚れの除去効率は上がりますが、やりすぎると表面を傷つける可能性がありますので、使用する際は汚れの程度に合わせて、推奨される使用方法通りに使ってください。

 研磨剤以外でホワイトニングに効果がある成分を2つご紹介します。

①ポリリン酸ナトリウム

 セルフホワイトニングで使われている薬剤の多くがこちらの成分です。ポリリン酸が汚れと置き換わってエナメル質(歯の表面の組織)と結合することで、歯の表面を傷つけずに汚れを除去します。さらに、表面がコーティングされ、新たな汚れが付着しにくくなります。ポリリン酸は鎖状の物質で、長鎖、中鎖、短鎖ポリリン酸がありますが、歯の表面に結合する力が強いのは短鎖ポリリン酸です。

 現在院長が出ている某宣伝のセルフホワイトニングもこちらのポリリン酸ナトリウムを使用しています。(詳しくはこちら

②ハイドロキシアパタイト

 ハイドロキシアパタイトは歯の表面の組織であるエナメル質を構成している成分です。表面の汚れを落としながら、歯の表面の小さな傷を修復し、再石灰化を促す効果がありますので、歯そのものを強くすることができます。

歯科医院でのホワイトニング

メカニズム

 では、歯科医院でできる歯の漂白とはどのようなものでしょうか。はじめにも述べたように、歯科医師や歯科衛生士が使用できる過酸化物(過酸化水素や過酸化尿素、過ホウ酸ナトリウム)は法律で唯一、歯の漂白ができると認められた物質です。過酸化物が化学反応を起こすと、フリーラジカルが発生し、エナメル質中の色素を分解していきます。色素が分解されることで歯の表層のエナメル質が白く見えるようになります。歯の有機成分である色素を分解するだけなので、歯が溶けたり、傷んだりすることはありません。

ホワイトニングの種類

 クリニックに来て施術を行うオフィスホワイトニングと、自宅でトレーをつけて行うホームホワイトニングがあります。どちらも過酸化物を使用しており、かかる時間や濃度に違いはあるものの、同じように歯を漂白することができます。詳しくはこちら

おすすめのホワイトニング方法

 以上のことをふまえ、私がおすすめする、一番歯を白くするのに効率が良い方法は、

  1. 歯科医院でクリーニング

まず表面の着色を落とします。

  1. 歯科医院でオフィスホワイトニング

高濃度の過酸化物で歯を漂白します。短時間で効果が出やすい方法です。オフィスの前にホームホワイトニングしておくのも◎

  1. 自宅でホームホワイトニング

低濃度の過酸化物でじわじわと漂白していきます。さらに白くなるとともに後戻りもしにくくなります。

  1. セルフホワイトニングや有効成分入りの歯磨き粉

希望の白さになったら、普段のケアで白さを維持

  1. 定期的に歯科医院でメインテナンス

再沈着したステインを落とし、歯の状態を確認します。後戻りがみられるようであれば、ホームホワイトニングのジェルを追加購入することも可能です。

期間→約2か月

料金→約65,000円(デュアルホワイトニングとクリーニング代。セルフホワイトニングや歯磨き粉の代金は除く)

 口の中の状態には個人差があり、この方法が最適でない場合の方もいます。詰め物や被せ物には漂白効果がありませんので、気になっている部分が詰め物の場合はホワイトニングでは改善できません。また、ホワイトニング剤が作用しにくい歯を持つ方もいらっしゃいますので、まずはクリーニングに行って相談してみてください。

注意事項

 ホワイトニングは歯にダメージを与えずに白くすることができる方法ですが、副作用もあります。知覚過敏がそのひとつで、薬剤を塗布している最中やホワイトニング後に歯がしみる症状がでることがあります。個人差があり、しみない人も多いですが、むし歯があったり、ひびが入っていたりすると知覚過敏が出やすいです。ただし、知覚過敏は一過性のものになりますので、薬剤の使用を止めれば次第になくなっていきます。

 また、一度ホワイトニングで色素を分解しても、再度色素が蓄積していきますので永久的なものではありません。普段の飲食物や歯磨き等のケアの程度で後戻りの期間は変わっていきますので、良い習慣を身につけて、定期的に専門家にチェックしてもらうのがおすすめです。個人差がありますが、私は7年前に一度集中的にホワイトニングをし、現在は根元のところが1トーン程後戻りしています。そろそろホームホワイトニングしようかな…とおもっています。

まとめ

 法律により、歯自体の色を白くするのは歯科医院でしかできません。しかし、ホワイトニング歯磨き粉やセルフホワイトニングでも、本来の自分の歯の色を維持するのには有効です。それぞれの特徴を知って、上手く活用していただけたら嬉しいです。

 また、気になる点や、口の中の状態、目指している白さは人によって違います。やってから後悔することがないように、まずはお近くの歯科医院でクリーニングとカウンセリングを受けることをおすすめします。最後までお読みいただきありがとうございました!

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