Orthodontics
矯正治療とは、悪い噛み合わせや歯並びを治す治療のことで、矯正装置を用いて、歯に一定の力を加えることにより、人工的に正しい位置まで動かし、上顎と下顎の歯並びを整え、正常な噛み合わせにします。
また、噛み合わせが悪いと、歯がよく磨けず、虫歯や歯周病になりやすかったり、よく噛めないため胃腸に負担がかかったりします。
歯並びを整えると、こうした問題が解決して虫歯や歯周病を防ぐ、胃腸をはじめ全身の健康を向上させる、清潔感を与える、笑顔を健康的で魅力的なものにする、正しい発音ができるようにするなど、良い影響がもたらされます。
――以上のような症状が当てはまる方は、お気軽にご相談ください。
歯にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく、いちばん標準的な矯正法です。ブラケットにはあらかじめ角度が付けられているため、歯の適切な位置にブラケットを装着すれば、あとは自動的にワイヤーが歯を動かし、理想的な歯並びになっていきます。一般的に「矯正」と言う場合は、この方法を指します。
ワイヤー矯正は歯にブラケットを付けなければならないため、見た目が良くありませんが、ブラケットには金属以外にも、透明なプラスチックやセラミックでできたものもあります(クリアーブラケット、セラミックブラケット)。
歯の裏側1本1本にブラケットを付け、そのブラケットにワイヤーをつなげてワイヤーを締めていくリンガルブラケットを使用するので、表からは見えず、審美性に優れた矯正治療です。
昔のリンガルブラケットは、大きく、厚く、突起部分が多かったため、話しにくかったり、ブラケットが歯肉や舌にあたって炎症を起こしたりすることもありました。しかし最近では小型で薄く、突起部分が少ない超小型装置を使用することにより違和感が軽減し、以前の装置の1/10以下の力で効果的に歯を動かせるようになりました。
そのため、痛みを軽減し、治療期間を短縮するなど、より患者様にとって負担の軽い治療が可能になりました。
取り外し式の透明なマウスピースを使用する、歯列矯正法です。歯型を取り、マウスピースを製作し、これを装着することによって、少しずつ歯を動かしていきます。従来のブラケットやワイヤーを使用する矯正装置と違い、装着していても外見上はほとんどそれとわかりません。自分で脱着可能なのが大きな特徴で、食事も歯磨きもいつも通りにできます。
透明な取り外しのできるマウスピースのような矯正装置を、治療中の歯の動きに合わせて、順々に取り替えて治療していきます。だいたい2週間に1度マウスピースを交換していただきます。このマウスピースを、食事と歯ブラシ中以外の1日20時間以上装着することによって歯の移動が起こります。
使用するマウスピースの数は、難易度などにより異なってきますが、1人あたり大体20~60個の範囲です。
床(しょう)矯正は、入れ歯に似て取り外しのできる装置(床装置)を使った矯正方法です。
装置は基本的に、床、ネジ、およびワイヤーでできています。
装置に付いているネジを巻いて、少しずつ歯を動かしたり顎を広げたりします。それによって歯が並ぶスペースができます。
見慣れない装置を見て、不安に思われる方も少なくないと思います。
しかし、取り扱い方さえ正しければ、床矯正は痛くなく、虫歯のリスクも少なく、自分の努力で治すことができる、学校に行っている間(10時間)は外せる、低年齢の子どもからできる、などたくさんのメリットのある治療法です。
予防矯正は乳歯列期(乳歯が生え揃ってから永久歯が生え始めるまでの時期)に、舌の癖を改善します。乳歯列期に治療を行うことにより、正常な顎骨の成長発育を促し、永久歯の正常な生え変わりをもたらします。就寝時にこの装置を装着すると、舌や口腔周囲筋の状態が整えられるため、咬み合わせを適正な状態へ誘導します。
矯正専用に開発されたインプラントを顎の骨に埋め込み、このインプラントを支点に動かしたい歯を引っ張って矯正する方法です。歯の確実な移動が可能となり、治療期間も大幅に短縮されるのがメリットです。
動かす歯を1本~数本に限定して矯正治療を行う方法です。
通常の矯正は多数の歯を動かすため、治療に2~3年の治療期間が必要になりますが、部分矯正では、動かす歯を1本~数本に限定して矯正を行うので、補綴(ほてつ)処置を組み合わせれば、半年程度で症状を改善できます。
ただし、部分矯正はすべての症例に有効なわけではありません。しかし短期間で施術することができますし、補綴治療(クラウンやブリッジの治療など)やインプラント(人工歯根)治療を行う際に、歯の位置や傾斜などの歯並びの一部を事前に修正する場合や、隙間が開いている前歯を移動させる、傾いている歯をまっすぐにする、などの場合に有効な治療法です。